無敵の法則(15)

【ジェラシーの感情】

知らないうちに相手を否定してしまうという、あなたには予想出来ないことがあります。

それは、嫉妬(ジェラシー)の感情です。

よくあるわかりやすい例としては、お金を持っている人に対する嫉妬の感情です。

お金を持っている人と自分とを比べて、自分が劣っていると感じるために否定されたような感情を抱いてしまいます。

これは相手の問題ではなく自分の問題です。

ただ、あからさまにあなたの前で金品を見せたり資産を自慢した場合に、あなたが相手に良くない印象を持つようなことはあると思います。そのときには、相手にはある程度の自覚はあるかもしれません。

しかし、自分の知らないところで、あなたのことを羨ましがって嫉妬をしている場合にはあなたにはどうしようもありません。

わかりやすいのはお金を持っている場合ですが、その他にも容姿や持ち物、学歴、家族構成など、どれが対象になるかはわかりません。

もし、あなたに嫉妬している人が大金持ちで生活に余裕があったとしても、もしかするとあなたよりも友人が少なかったり、休日が少なかったり、健康を害していることもあるかもしれません。

このように、お金の問題以外にも人間関係や才能など、人と比較できるものであれば何でも嫉妬の対象になる可能性があります。

もし、あなたに嫉妬をしている人と話をする機会があれば、

「いや、こんな自分でもけっこう大変なんですよ。」

と言っておくのもいいと思います。さらに具体的な話ができればもっと良いでしょう。
あなたのどの部分に嫉妬しているかがわかれば、それを比較して否定的になっている人に対して、否定の感情を取り除いてあげることができれば最高です。

ただ、大抵はそれは困難な場合が多くあります。

お金をたくさん持っている人とお金に困っている人が出会った時に、お金をたくさん持っている人が、次のように言っても相手は納得しないでしょう。

「こんなにお金を持っていてもしょうがない。」
「あなただって、◯◯を持っているではないですか。」

というのはどちらかというと、お金持ちの言い訳であって、相手を肯定している感じはあまりありません。

また、

「親がたまたま遺産を持っていて」

というよりは、

「苦労を重ねて、やっと今があるんです。」

という理由の方が納得しやすいと思いますが、どちらにしても「相手を否定しない」という点を考慮していなければ相手の感情は収まらないでしょう。

そして、

「いつかきっといいことがありますよ。」

という気休めの言葉は、場合によっては良いと思いますが、それが通じない相手もいます。

これに関しては、

「比較する」

という行為によって、結果的に自分を否定してしまっている状況ですから、

「比較しない」

という会話に持っていければ安心感が生まれます。

「お金持ち」というのは、例えば資産が10億円という事実であって、それを誰とも比較しないということ。

それには、もし

「お金があっていいですね。うらやましい。」

と言われた時に、

「そうですね。」

と認めながらもさらっと流してしまい、その上で、

「何か困っていますか?」

と相手のことに話題を持っていくと少しは会話の流れとしてはよくなる場合があります。
感情の問題はとても難しく、何を言ってもダメな状況がありますので、これに関しては効果的な解決策はないのですが、それでも

「相手を否定しない」

という態度で接すれば、それほど悪感情を持たれることはないでしょう。

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