仕事をしていて、自分で色々とやってしまう上司がいます。
いい悪いでは無く、それが目的に沿っているかどうかが重要です。
「目的」というのは「事業の拡大」だったり「安定」だと思います。
部下に任せない上司は、こんな気持でしょうか。
「部下がやるとイマイチ完成度が低い」
「部下に頼んでも行動が遅い」
「部下が自分でやると言っても、わからないところを聞きに来ないで止まっている」
「部下は責任が取れないし、最終判断をさせたくない」
「頼んでもいないことを勝手にされてしまう」
「会社の利益や経皮的な事を考えていない」
「やる気を出してどんどんやればいいのに遠慮している」
「やらなくていい事に時間をかけている」
「それについて勉強をしたり深く考えたりしない」
などでしょうか。これらを考えると自分で仕事をやった方がいいですね。
冒頭でもいいましたが、この状態ですと結局は一人で仕事をしていることになるため、事業を拡大することが出来ません。人手が足りなくなります。また、その人が病気になったり突発的な用事などがあって納期が延びたりクオリティが下がったりして「安定」という面から見ると「不安定」な要素になります。
「その状態でいい」という会社もあると思いますし、それでうまく行っている会社(組織)もありますので、それも特色のひとつというか個性なのだと思います。
ただ、事業を拡大していきたいとか事業の安定を考えると部下にどんどん仕事をやってもらう方が良いですね。
上記の例で言えば、ISO9001の手法を取り入れて手順書を作ったり完成の基準を決めたりしておくだけでもだいぶ違います。
また、「悪循環」というものもあって、それは部下に任せられない上司が部下に任せた場合に「部下を信じられない」ということから「何をやっているか見たくない」「完成したら注意をまとめてしようと思うので、それまで待っている」という状況が発生することがあります。
本来、始めての仕事や、うまくいくかどうか不明な仕事を頼んだときには細かくチェックした方が良いと思います。「悪いところ探し」でチェックすると嫌がられますが、「いいところ探し」ですと喜ばれます。
部下をまったく褒めない上司、あるいは「褒めたほうが良い」というマニュアルがあるのが「いつも頑張っているね」「あなたのおかげでうまく行っている」とは言うものの、その人が何をやっているかを見ていない人もいます。
やはり仕事においては、その人がやっていることを見て、具体的な部分を褒めた方が仕事の流れが良くなります。
また、たとえば「新しくホームページを作ろう」ということになって部下を担当にしたときに、上司がそれをまったくわからない場合にも任せっきりで放置のパターンがあります。
これは「仕事を任せた」というと聞こえはいいですが「押し付けた」とも言える状況です。
このような状況になる理由のひとつに「上司の経験不足」ということがあります。
たとえばカレーを作ることを部下にやってもらうことにしたときに、自分が経験していれば、まず最初に「これをこうやるとこうなる」という説明をすることが出来ます。
そして、部下が何かを失敗したときにも、それを助けることが出来ます。味見をしてしょっぱいときには水を足し、それで味が薄くなったときにはソースを足すなど、初心者が犯す間違いは自分も経験しているはずで、それを克服した経験があれば完成品も良くなります。
経験が無いなら無いなりに、部下と一緒に勉強したり解決していけば良いですね。
上司が「手一杯」になる状況は、素人のような部下がいっぱいいるときで、それは時間と共に楽になっていき、その後は事業も拡大します。
しかし自分で仕事をやっていて「手一杯」の場合には事業は拡大しません。
役職が上になればなるほど、自分で直接何かをやらずに「人を育てる」ということをメインの仕事と考えるようになった方がビジネスは拡大します。
また、今までになかったトラブルが発生しても相談相手が増えることになります。
部下に任せられず、自分でどんどんやってしまう人は、上司になるのは向いていないのでかえってストレスが発生すると思います。
そのときには、その人は無理をせずに現場で楽しく活躍してもらうことが良いと思います。