無敵の法則(24)

【わかりませんという否定】

相手に何かを聞かれた時です。

特に相手が怒ってあなたに説明を求めてきた時ですが、

「わかりません。」

というのは相手を否定することは無いように聞こえます。

正直で素直だったり、相手に謙遜している状況だったり、あるいは自分の話をどんどん進めていくよりは良いかもしれません。

しかし、実際にはそれは相手の言葉を直接否定をしていないだけで、相手の気持ちを受け止めていないと感じられる場合もあります。

つまり、あなたにそのつもりは無くても、相手にとっては拒否されているような言葉に聞こえてしまう場合があります。

一般的には、

「わかりません。」

という言葉は、変に相手に反論をするよりも、遥かに素晴らしい応対だと言えるでしょう。

相手の質問を否定したり、「説明する必要はありません。」と言ってしまうことも出来ます。

そのような、「明らかに相手を否定している」というイメージは無いので、少し気をつかうところかもしれません。

もし、相手の感情が高ぶっていて、相手から怒りと共に質問が来た場合、

「わかりません。」

というのは相手の感情を更に高めてしまう危険性もあります。

「そんなこともわからないのか」「何か隠しているな」「わからないってことはないだろう。」などと次々にあなたを非難する言葉が生まれてくる可能性もあります。

相手を直接否定するような、「あなたが間違っている」というように反発するよりは良い方法だと思います。

ただ、それでも

「わかりません」

という言葉に含まれる相手への否定的な感情については考慮しておいた方が良いと思われます。

そのため、

「今はわかりません。」
「すみません、わかりません」
「あなたの気持ちは十分にわかるのですが、この件はわからないのです。」
「今調べていますので、もう少しだけお待ちいただけますでしょうか」

と、少し言葉を付け加えるだけでだいぶ印象が変わります。

相手と戦いたくない場合、そして少しだけごまかしたいと思う気持ちがある場合には、あなたを守ってくれる言葉として

「わかりません。」

というあいまいな言葉は便利だと思います。

相手に対して適切な良い応対の言葉が見つからない場合にはとても良い言葉です。

ただし、その言葉自体には「相手の気持ちを受け止めていない」というニュアンスも含まれていると思います。

また、同じ「わかりません」という言葉でも、「怒ったように発声すること」と「悲しげなトーンで話をすること」とは相手の受ける印象も全然違いますので、その点にも注意を向けておくのはいかがでしょうか。

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