私の会社は、「失敗しないように」という話はしますが、特に強調しませんし、失敗した場合は「人」の責任にはしません。
まず、「失敗」は、必ず発生するという前提があります。
そのため、どんな失敗があるかをあらかじめ予測して予防します。
それでも「失敗」してしまった場合は、その「人」が原因というのも確かにあるのですが、「システム」として予防できなかったかどうかが重要です。
例えば、うっかり薄暗い中で作業してしまって見落とした場合、その人に原因があるのは確かなのですが、それでも電灯で明るく照らされていたらミスがなかったとしたら、そういう作業方法自体に原因を見出して改善すれば、誰が作業をしてもミスが無くなります。
人のせいにしてしまうと、その人が「気をつけます」で終わってしまい、他の人がまた暗い中で作業する可能性が残ってしまいます。
システムの改良は、電灯で明るくなっていないと作業できないような工夫をするということですね。
イスに座ると電灯が照らされるスイッチを取り付けるとか、そういう感じで。
工夫をすることで、ミスを未然に防ぐことができます。
ミスに関しては、「予防」に重点を置くことが非常に大切ですね。
ただ、個別のミスに関してはそうなのですが、組織全体に関しては少し違う思いがあります。
それは、「失敗しても良い組織」です。
つまり、作業でミスが発生したときに、すぐに対応をして同じミスを2度と繰り返さない工夫ができる組織もそうですし、日ごろからお客様との信頼関係を築くこともそうです。
「失敗しても大丈夫」
という言葉は、非常に安心感がある心強い言葉ですが、普通は仕事では有り得ない表現のような気もします。
しかし、よく考えてみると、
「絶対に失敗しないということは、有り得るのでしょうか?」
この質問をすると、たまに、「失敗しないように考えないといけない」「失敗は絶対に許されない」と言う人がいますが、話が単なる理想論になってしまって現実的ではありません。
「絶対に失敗しない」
というのは行動目標であって、「どんな失敗があっても大丈夫」という対応策を常に考えておく必要があることを考えると、
「絶対に失敗はある」
と考えておいた方が何かとスムーズではないでしょうか?
そして、そう考えるからこそ、「失敗しても大丈夫な組織」というものを目指したいと思います。
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