「言葉で表現できるもの」
と、
「言葉で表現できないもの」
では、圧倒的に後者の方が多いと感じます。
「なんでも言葉で表現できる」
と思ってしまうとうまく行かないこともよくあります。
「言葉」
は、何かを伝える必要性から生まれたものですよね。
ですから、日常生活で特に困っていない場合には、言葉も足りている状況だと思います。
しかし、よく考えてみると、
「赤」
という言葉は、正確な表現ではありません。パソコンで表現する色番号の#FF0000も#CC0033も、見た目は違いますが言葉では同じ赤い色です。
また、同じ色番号でも、表示されているディスプレイの種類や環境によって違う色に見えます。
同様に、
「甘い」
というのも、砂糖の甘さ、果物の甘さなど、色々あります。
補助的な言葉として、「ほんのり甘い」「めちゃめちゃ甘い」「やばいくらい甘い」などの形容詞を使いますが、どれも正確には表現できません。
人間関係がスムーズに行かない問題点のひとつに、「言葉の問題」があります。
同じ日本人同士で、同じ言葉も使っているために、「自分の話が通じている」と思ってしまうのですが、そのために問題が発生するときもあります。
怒りや悲しみなどの気持ちをうまく表現できなかったり、説明が通じていなかったり・・・。
もちろん、長い時間をかけて色々な角度から説明をすればそれは解消されると思いますが、
「これを伝えたのだから、相手がわかってくれた。」
と思っても全然理解されていない場合があります。
これは、「言葉の難しさ」もあると思いますが、「言葉で表現するのが難しいのに、説明が足りなかった」ということもあると思います。
「百聞は一見にしかず」
という言葉は、意味の通りで何かを説明するときには実物を見た方が早いです。
ただ、「百聞は一見にしかず」という状況説明に関しては言葉で表現できています。
五感で感じるものの表現や感情に関しては、言葉で表現するのは難しいですが、状況の説明は可能だと思っています。
「ビルの上で寒かった。」
という状況の説明はできますが、その言葉から絵を描いた場合、全員が違うものになりそうです。
小さい頃から言葉を習い始め、言葉で全部表現できると思ってきましたが、あるとき、
「言葉にならないものの方が多い。」
と思い、気をつけるようにしています。
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