たまに、すごく論理的な人がいます。思うに、製造業の品質管理には必要なタイプの人です。
これは一例ですが、けっこうこだわる人がたまにいます。
「車は急に止まれない」
ということについて、
「急に止まる」ということを正確にしようという試みがあります。
まずは、「急に」のところです。
自動車が停止するまでに何秒かかると「急に」になるのかを定義しないといけません。
また、「急に止まる」のが時速がゼロになるまでの時間を指すのか、あるいは停止するまでの距離を指すのかも決めないといけません。
「『急に』とは、時速30キロメートルで走っている車の運転手が、車を停止しようと思ったときに3秒以内、なおかつその瞬間から車の移動が5メートル以内で止まること」
のような感じで定義しそうですが、結局はその人の感覚的なものが入っています。そのような決まりごとも世の中にけっこうあります。
もっともらしく言われてしまうと、なんだか反論しにくくなります。(^_^;)
しかし、元々の文章を見ると、
「車は急に止まれない」
です。一応、四輪車を車とすると、車体を超軽量化した最高時速が30キロメートルしか出ないような非力だけと軽量なエンジンで、なおかつ強力なブレーキを装備したリモコンの小さな車なら、もしかしたら上の定義でいう「急に止まる」は可能かもしれません。
そうすると、
「車は急に止まれない」
という言葉は真実ではなくなります。
また、「車は」という部分に着目をすると、慣性の法則はすべてのものに当てはまるのだから、
「車だけに限定するのはおかしい」
ということにもなりそうです。
議論が議論を呼ぶ無駄な時間の始まりです。
こんなときは、やはり初心にかえって、
「動いているものは、気づいた瞬間に0秒、0ミリで止まることはできないっていう、そのままの意味ですよ」
で終わらせて、
「道路に飛び出すと危ないっていうことを言いたいだけですから」
の一点張りにしましょう。
感覚的な言い方ができないような場面でも、意外に「定義されている数値」自体がいい加減な場合がありますね。(^_^)
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