前回の記事を読んでいない人は、前編から読んでくださいませ。m(__)m
長いので、3回シリーズになりました。(^^)
さて、3人で60分かかっている仕事のコストダウンの話の続きです。
(A):「3人で60分かかっている仕事を2人でできるようにする。」
(B):「3人で60分かかる仕事を40分でできるようにする」
という2つのパターンの話です。
ここで、1日の仕事を見てみましょう。
8時間労働を基準にします。60分で1個の製品が完成するとします。
コストダウンをする前は、1日で8個完成します。つまり、3人で8個です。
そして(A)のコストダウンの場合は、2人で8個が1日に完成します。
(B)の場合は、3人で40分の仕事になるので、1日だと60分×8時間=480分を40分で割りますので、12個となります。
つまり、3人で12個が1日に完成します。
時給をひとり1,000円、製品をひとつ1万円としてみましょう。
元々の状況は、3人で8個ですから、
人件費 3人×1,000円×8時間=24,000円 売上げ8万円
です。そしてコストダウンの結果を人件費と売上げで見てみると、
(A) 2人×1,000円×8時間=16,000円(人件費)
売上げ 8万円(2人で8個)
(B) 3人×1,000円×8時間=24,000円(人件費)
売上げ12万円(3人で12個)
利益は、
(A)8万円-16,000円=64,000円
(B)12万円-24,000円=96,000円
です。いかがでしょうか。(B)の方が会社に利益が出ます。
実は、一人当たりの利益で見ると、両方とも32,000円で同じです。
しかし、会社の利益で見ると(B)が優勢です。つまり、
「1日に作る量」
もまた、忘れてはいけないところだということです。
(A)は、会社の売り上げは変わりません。
1日の利益を考えると、(B)の方がより多くの収入を見込めることになります。
簡単な話ですが、ひとりが32,000円稼げるなら、10人よりも100人雇ったほうがいいということですね!
したがって、(A)の場合でも、余った1人を辞めさせるという方法は良い方法ではありません。
もうひとり連れてきて4人で1日に16個作るのです。
いかがでしょうか。
「1日の生産量を上げる。」
ということを考えながらコストダウンをしないと、人をひとり辞めさせてコストダウンになったと喜んでもしょうがありません。
コストダウンの目的は、単なる経費の節減ではなく、利益を増やすことです。
経営者を含めて、人数を減らしたいと考える人が多いのですが、人数を減らすよりも生産数を増やすということに重点を置いた方が良い場合もあります。つまり、
・1日に必要な生産量に変化が無い場合は、人数を減らす。
・1日に必要な生産量が増加している場合には、製造時間を短縮する。
という方向性で考えた方が利益率がよくなります。
結果的には同じになりそうですが、やってみると違いがわかると思います。
生産量が変わらないのであれば、人数を減らすよりも就業時間を減らす可能性も考えた方が良いと思います。
そして、残った時間は営業活動をするとか、売り上げを上げる方法の勉強会を行うとか、あるいはしょうがないので就業時間を短くして支給額を減らすという選択肢もあるかもしれません。
「人員を削減する」というと働いている人達はやる気がなくなります。しかし、人数は減らさずに時間を短縮するという話は、提案もしやすいですし楽しめる雰囲気にもなります。
実行のしやすさを考えても、「時間の短縮」がコストダウンの考え方としてはオススメしたいところです。
次回、もう少し続きます。
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