「硬さ試験セミナー」というのに参加してきました。(^^)
たぶん、「硬さ試験」についてはあまり知らない人が多いような気がしますが、私の本業では毎日「硬さ試験」を行っています。
「硬さ」
は普段は意識していないかもしれませんが、例えば携帯電話のケースの材料も強度が必要とされます。10円玉や100円玉も硬さが一定でなければいけません。自動車、電車、新幹線、家具、家電品、あらゆる工業製品は「硬さ」を意識して作られていると言っても過言ではないでしょう。
通常はアルミニウム、鉄、銅などの素材は単体元素で使用せずに、他の元素を入れて「合金」にして製品化します。「合金」にする目的は、耐摩耗性や引っ張り強度などの機械的性質を目的に合ったものに調整することです。
そして、それぞれの合金の性質のひとつとして「硬さ」も存在します。細かく書くと長くなるので省略しますが、材料を選ぶときの目安として「硬さ」の数字を見ますし、実際に製品を作るときにも「硬さ」が保たれているかを随時チェックします。
「硬さ」についてはメートルやグラムのように基準器があるわけではなく、「測定する方法」について基準が作られています。
つまり、「1kgの重さを加えたときの変化」などで硬さの度合いを調べる場合、「1kg」というのは決まっているのですが、重さを加える方法が機械を使ってもバラつきがでます。厳密にいうと、測定するときの気温も一定にしなければいけません。
また、鉄やアルミニウムなどの材質や、製品の形状によっても測定方法が異なります。
量産のときなどに「製品の品質の維持のためのチェック」として測定をするのであれば、社内の独自規格でもいいという面もあります。
つまり、本来は硬さについては測定誤差や硬さの数値の決まりも決めにくいために標準化の作業はとても大変になっています。
ロックウェルやブリネルなどの測定方法は製造業では一般的なものですが、測定誤差や機械ごとのバラつきも発生しています。
標準化された文書には、誤差を発生させない測定方法や機械の取り扱い方も制定され、また許容誤差も明確にされています。
今回のセミナーでは、日本の規格のJISと世界標準のISOでの「硬さ」についての現状や今後の動きについてなどを聞くことができました。
参加者は100名ぐらいで、みなさんスーツを着ていて、「技術者の集まり」という感じでした。こういう分野は、「やりがいのある仕事」という感じがします。
興味の無い人にはまったくわからない講義ではないかという感じで、おそらく生物、物理などの専門の会合に私が行ったら3分持たないのと同じような感じの集まりかもしれません。
「硬さの測定」
というのは、測定自体は教わればすぐに出来るのですが、その意味を理解して製品の品質を維持するにはある程度の知識が必要なので、今回のようなセミナーはそういう点でも役に立つので、とてもありがたいです。
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