慣れることと、変化すること

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原発の問題は色々とありますが、「慣れ」という問題も含まれていると思います。もちろん、他のものにも当てはまることですね。

私は以前(というか今もたまにやりますが)、水素雰囲気の熱処理というのをやっていた頃があります。

本業ではないのですが、そういう装置も販売していて、その実験を依頼されたりします。

どういうものかというと、ステンレスの「ロウ付け」の作業です。ロウ付けは金属同士をくっつけるときに使ったりしますが、高温で行うと酸化する問題が生じます。

それで、酸化を防ぐために水素で満たされた容器の中でロウ付けを行います。温度は1,000℃ぐらい。酸化還元されるため、ピカピカになって出てきます。

水素は爆発します。扱いは危険です。

さらに、その中の品物のロウ付けが完了すると、次の品物へと入れ替えます。

1,000℃に暖められた水素で満たされた容器の中から品物を取り出して、次の品物を入れるとき、どうするか知っていますか?

空気(酸素)が少しでも入ると爆発するので危険です。

そこで、「フレームカーテン」という仕組みを使います。つまり、1,000℃の水素と常温の空気の間に火を炊きます。水素容器の手前で火がボンボン炊かれているので酸素がなくなります。

文字で書くとこんなかんぢ。

1,000℃の水素|炎|酸素

酸素と水素が直接触れ合わないから大丈夫。OK (^o^)/

って机上の空論ですかぁ。

と思いつつも実際に作業しますと、最初はかなりビビリます。高温の水素に大量の炎をあてるなんて正気の沙汰か?と思います。でもけっこう大丈夫だったりして、そのうちに慣れてきます。

たぶん、慣れて鼻歌が出る頃にドカンと爆発しそうです。

一応、爆発するときには上に水素が抜けるような防爆弁が付いているので安全性はあると思いますが・・・。

前置きが長くなりました。こんにちは、森です。

自己紹介が終わってタイトルに戻ります。

危険な作業でも慣れれば危険を感じなくなります。それは人間に備わっている機能なのでそういうものですね。

ただ、「慣れると危険」という面もあります。

原発もそうですが、「実際にやってみると、あの部分は変えたほうがいい」とか「ちょっとあれを修理しておかないとまずいかも?」というときに、

「慣れている作業を変えたくない」

という気持ちが出てくると危険度が増しますね。

自然界の力では、創造・維持・破壊が繰り返されますので、「変化」は必ずやってきます。

自然の中で生活しているときの四季の変化は、毎年同じようなもので安心感もありますが、仕事の変化は未知の世界が多く失敗することもあるので不安になります。

どちらかというと、「外の世界は変化するもの」、「自分の内側は変化しないもの」という認識があると、外の変化にも耐えられる気がします。

それはまあ、さておき、

「慣れているから」

「これでうまく行っているから」

という理由で変化を拒むことの無いように気をつけたいものです。(^_^)

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