きのうは、PALVONのWEBサイトの「プラネットゴールド」の解説を加筆修正しました。自分の中では「当たり前」のことを、もう少し表現してみようと思いました。時間があれば更に追加する予定です。
このブログを書くときは気楽ですが、理系のような話を文章にするときには脳みその使用部分が違う感じですね。
とりあえず、今日の時点では下記のようになっています。せっかくなので、このブログに貼り付けておきます。
PALVONのアクセサリーは、プラネットゴールドという特許素材で製作されています。[特許第4526108号]
プラネットゴールドは、銅を主成分とした金色の合金です。
工業用として用いられていることの多い「アルミニウム青銅」と呼ばれる金色の合金がありますが、それがプラネットゴールドの元になったものです。
「アルミニウム青銅」は銅とアルミニウムの合金で、2~3カ月で表面が真っ黒になってしまうという欠点がありました。
そしてその欠点を克服し、金色が永く続く合金を目指して、色々な元素を配合した実験を開始しました。
完成に至るまでには、様々な金属元素を幾度となく混ぜて試験を行いました。
溶解温度は銅の融点(約1,250℃)よりも高い約1,350℃です。その温度ですと、溶解炉に近づくだけで顔が赤く焼けてしまいます。また、熱いというよりも痛いという感覚が身体にやってきます。
特に、溶解後に坩堝(ルツボ)の中を掃除するときには約1,400℃の温度に上げるため、中に残った金属を全部きれいに取り除くのは大変な作業でした。しかし、これを丁寧に行わないと金属元素が残ってしまい、正確な実験が出来なくなります。
それを繰り返しながら金属を高温で混ぜ合わせてインゴット(金属を型に流し込んだもの)を作るのですが、はじめは溶解後に金属が膨らんだり縮んだり、黒くなったりサビが出たりと、なかなか思うようにはいきませんでした。
配合としては、ステンレスのように「クロム(Cr)」が鍵を握ると思ったのですが、銅とクロムはうまく混ざりません。そのため、50:50の割合で溶かし込んである「母合金(ぼごうきん)」というものを使用しました。
母合金はとても便利で、1,350℃では溶かすことの出来ない金属も溶かすことが可能になるため、クロム以外の元素も色々と試すことができました。
そして9年の歳月が流れ、ある日のこと、表面が黒くなることなく金色の色調が持続するプラネットゴールドが完成いたしました。
その配合は「特殊アルミニウム青銅」として2010年に特許を取得済みです。
配合の詳細については公開しておりません。成分・配合の範囲について特許を取得しましたが、鋳造性・圧延性・光沢などのベストの配合は金属元素の微妙な組み合わせから成り立っています。
それについては、発光分析等で成分を分析しても、特殊な鋳造方法を行なっているために再現は難しいものとなっています。鋳造方法に関しては秘密を守るために非公開としている関係上、特許出願はしておりません。
ようやく完成し、プラネットゴールドと名付けられた素材の特許内容は、「サビに強い、銅を主成分とした金色の合金」というものです。
元になった「アルミニウム青銅」は腐食に強いため船のスクリューにも用いられていますので、素材の耐久性は抜群です。
プラネットゴールドは、「不動態皮膜(ふどうたいひまく)」と呼ばれる酸化皮膜が形成されています。
そのため、少し時間が経過すると金色の色調が若干濃くなります。
金属磨きなど、研磨剤入りのもので磨くと表面が綺麗になり、その後再び酸化皮膜が形成されます。
研磨直後に手などで触って油(脂)が付着しますと、酸化の過程で色ムラが発生することがあるのは、この理由のためです。
通常の使用では、上記の内容は特に気にすることはありません。
プラネットゴールドはアクセサリーの他、テーブルウェア・建築材料・印鑑・ビリケン像・仏像・仏具等々の製品にも応用されている商標登録済の素材です。
金メッキは、その色調がいつまでも続くことは無く、いずれ下地の色が出てきてしまい価値が下がります。
プラネットゴールドは金メッキのように色が落ちることのない製品を作るために開発し、そして完成した理想の素材です。
プラネットゴールドの詳細は、こちらです。
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