たこ焼き屋さんのISO9001

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なんとなくISO9001の話がしたくなりました。ISO9001は、「品質保証システム」の国際的な規格です。

「ISO9001を企業に導入すると信頼が増す。」

ということで多くの企業が取り入れていますが、

「ISO9001を導入すると良い製品になる。」

というような表現だとたまに誤解が生じます。

それで、たこ焼き屋さんを例に少し話をしてみましょう。

ちなみに、なぜ「たこ焼き屋さん」なのかというと、たぶんほとんどの人が知っている業種だと思うので例え話としてはいいかな、って感じです。

あなたがたこ焼き屋さんをやると想像してみると、最初にどんなことを考えますか?

・材料

・売値

は考えますよね?

良い材料を使って10個5,000円で売るのも、作り方に工夫をして10個100円で売るのも自由です。

また、大きなタコを入れたり、タコは小さかったり、あるいは大きさがその日の気分で変わるのも自由です。

これが基本です。

そして、そこからビジネスとして成り立つように販売価格を決めます。

その次は宣伝ですね。

ここで、その店の特徴をお客様に紹介するときの言葉を考えます。例えば、

「うちは、でっかいタコが入ってるよ。」

と宣伝した場合には、実際にその通りでないとお客様が悲しみます。

そのため、品質マニュアルを作るとしたら、「でっかいタコを入れる」というものになります。

さらに、「でっかいタコ」の基準が必要です。重さか、大きさなどの数値がベストですが、「社長が決めた職人の判断に任せる」という基準でもOKです。

お客様が期待するものを提供できる手順がハッキリしていて、それを確実に行っていることを第三者が認めたときにISO9001の認証が取れます。

ただ、

「常に良いものを提供するシステム」

というと、それはまたちょっとニュアンスが違っていて、例えば、

「タコが入っていなかった」

という事態が発生することがあります。

その瞬間にISO9001の認証が消滅するわけではありません。

そういう事態が発生したときに、

「なぜ発生したのか?」

「そういう失敗を繰り返さないためにはどうすればよいのか?」

をキチンと考えて行動している会社であれば良いということです。それを放置すると最悪の場合は認証は取り消しです。

そして、そのときに

「たまにタコが入っていないことがある。」

というルールに変更して、お客様に告知すれば、それはそれでOKです。

「うちはタコが入っているかいないかは適当です。」

というルールがあって、その通りに行っていれば良いということです。

「そんなタコ焼き屋はダメだろ?」

という声も聞こえてきそうですが、もちろんダメだと思います。(^.^)

でも、ビジネスは基本的にそれぞれの会社の自由です。そしてお客様も自由です。お客様の支持を得られなければ企業として継続できません。

ISO9001は、社長の思いを常に継続するシステムでもあり、お客様との約束を守るシステムでもあります。

ただ、すべての人にとっての「良品」「良いもの」ではなく、一部の人にとっての「良いもの」であってもビジネスとして成立する場合がありますので、「ISO9001を取得している会社は良いものを作っている」と考えると、ある人にとっては良くないものである場合があります。

それは、価格に重点を置くか、高級感に重点を置くかの違いのように、顧客に合わせたものになっているからですね。

「ISO9001を取得しているのに、なんか良くない。」

という場合、それがルール化されて確信されたものかどうかをまず確認した方がいいという感じです。

IOS9001の審査は、社長の想いが実現されているか、お客様は満足されているか、という点が重視されます。そして、それらを確認できるようにするために記録が必要というのが基本的な考え方だと思います。

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