「雑草という名の草はない」という言葉は、昭和天皇のお言葉です。
私がたまに思い出す、好きな言葉のひとつです。
初めて聞いたときは、けっこう衝撃的でした。
「確かに、そうだ!」
という感じです。
雑草というのは勝手に生えてくるどうでもいいような草をまとめて指す言葉なので、言葉としては成立していますが、草を大事にしているニュアンスは無いですね。
草に名前をつけるのは人間で、勝手に命名しているわけですから、名前とか呼び名は本来の自然界とは関係のない人間の都合なのですが、草木のひとつひとつ、雑草と言われるものまで大切にされているという、そこのところに感動があります。
ところで、私は昔、工場の労働者だったころに、「テコ」と呼ばれていたことがあります。
語源とか使い方とかは不明ですが、メインの作業者の補助的な人を指すようです。
「人が足りないから、テコで入ってくれ。」
みたいな感じです。
で、なんとなくそう呼ばれるのはイヤでした。やはり、どうせなら技術を持ってメインで行きたいという気持ちもありますし、せめて「補助」とか「サポーター」とかいうカッコいい言葉で呼んで欲しいという気持ちもあります。
でも、やはりメインではありませんし、カッコつける前に技術を磨けということもあるでしょうし、もしかしたらその悔しさをバネに成長しろという意味があるのかもしれません。
まあ、それはそれでいいのですが、さらにはこんなこともあります。
「あの会社の工事なんだけど、3人行くから6万円っていう見積をしたんだよ。実際は2人でもいいんだけど、もうひとり行って3人にすればお金になるから行ってくれ。何もしないでブラブラしてていいから。」
という事例です。
逆に、そういう業者に依頼してして「なんか工事に来た人でブラブラ遊んでる人がいる」ということがあった人もいるかもしれません。
さて、そろそろタイトルの文字の意味がわかった人もいると思います。
そうです、「テコという名の人はいない」という感じです。
もし、あなたが職場で「スタッフ」とか「作業員」と呼ばれているとして、それで満足している状況であればいいのですが、自分と他人の区別がされないまま不当な扱いを受けていると感じているときには、少し現状を変えたほうが良いと思います。
人を雇うときには、会社は給料を支払います。
不要な人は雇いません。
社長は、「雑用という名の仕事は無い」と思っていて当然です。そんな仕事はありません。特にこの不景気ではありえません。
適正な人数を考えて雇っているわけですから、「何人いるかが大事だから、誰でもいいから頭数を揃えろ」ということは、あまりないことだと思います。
ただ、職場によってはそのような状況だったり、あなたがもしも経験不足だった場合には「人数あわせ」のような扱いを受けることがあるかもしれません。
でも、それを聞いてそのまま「何もしないで過ごす」のはやめたほうがいいですよね。
その会社を辞めたいのであれば、トイレにこもって本を読んでもいいと思います。しかし、その会社に残って給料を上げたいと思うのであれば、掃除や整理整頓をしたり一緒にいる人に仕事を教えてもらったりして会社にとってあなたが役に立つ人間であるような行動をしましょう。
特に、仕事の経験が浅いうちは社内での立場は弱く、不当な扱いと感じることもあるかもしれません。
場合によっては、「単にスタッフのひとり」ぐらいな感じの扱いを受けることもあると思います。
それはしょうがないことかもしれませんが、そういうときには、
「雑草という名の草はない」
という言葉を思い出して人間としての尊厳を取り戻しましょう。
そして、会社の社長さんは、単なる頭数として雇っているわけではないので、あなたの役目を果たしましょう。
あなたが、もしも不当な呼ばれ方をしていると感じたときには、あなたの良さを行動を持って示せば良いと思いますので、頑張りましょう。
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