たまに、「利益を追求するあまり顧客重視を忘れている。」というような話を聞くことがあります。
また、社内会議などで「それはお客様のためになるのか?」と自問自答しながら結論を出しているという話も聞きます。
私は、話を整理しないと勘違いする人も出てくるかな、と思ったりします。
まず、会社は「利益追求」は当たり前です。というか、利益を生み出す組織です。利益を出すために活動しますから、利益を抜きにしてはいけませんね。
ですから、「利益追求するよりも・・・」という表現はなんとなく不思議な感じです。
また、「顧客重視」も当たり前のことで、お客様がいなければ会社は存続しません。
「利益追求」と「顧客重視」の優先順位は、「利益追求」が1番だと思います。
そうでないと、顧客重視をして赤字になれば組織は成り立ちません。
例えば、1万円で仕入れたものをお客様の要望で5千円で売ることはできませんね。
でも、1万円で仕入れたものを100万円で売っていればお客様は来なくなります。独占企業の場合はそうでもないでしょうけれど、そのうちにライバルが現れると思うので未来永劫の繁栄は難しそうです。企業努力で継続できることもあると思いますけど。
それと、「利益追求」は「目的」で、「顧客重視」はどちらかというと「手段」というカテゴリーになりそうなので、比較することも出来ない気がします。
「手段」の中で、「お客様の満足は度外視して売る。」とか「騙して売る。」というのは問題です。訴えられるとか色々なトラブルがあるからと思う人もいるかもしれませんが、1番の問題は「顧客離れ」ですね。騙される人は多くありませんので、企業の存続は無いと思います。詐欺っぽい会社は短期勝負なのだろうと推測します。
つまり、「利益追求」の手段として、「お客様を大事にする」ということが大切だということですね。
会議での発言例で、
「その方法は、確かに利益が出るがお客様にとって良いサービスでは無い。だから、他の方法を考えよう。」
ということがあります。それと似ている発言で、
「お客様にとって良いサービスでは無いから、利益追求のためにそれをやるのはやめそう。」
というのは同じことを言っているようですが、ヘタをすると採算度外視のサービスに走る可能性もあります。
無料で何かをしてあげたり、採算を度外視するサービスは、「宣伝広告費」のカテゴリーです。それは「利益追求」のために行う行為で、「お客様第一」で行うのとはちょっと違います。結果的には同じようなものに見えますが、ちょっと違いますね。
たぶん、「利益を追求するあまり、採算を度外視してお客様に感動を与えるようなことをしていない。(=宣伝広告をしていない。)」ということを問題視する人が「利益追求ばかりしてはいけない。」と感じているのではないかと思います。
無料でお茶を出したり、笑顔で応対するのは人として当然というか、そこは利益どうのこうのというところではないので「宣伝広告費」などと言われると反発したくなる人もいるかもしれませんが、会社の経理的な分類から見ると「値引き」でも無いですし「投資」ともちょっと違いますし、社員に勝手にやらせているわけでありませんし、という感じです。
無理して分類しなくてもいいのかもしれませんが、会社にいる時間はすべての人は利益を追求する活動であるべきですから、「その行動はいかに利益を生むのか?」と考えるべきですね。
採算を度外視したサービスは、必ずお客様の感動を呼びファンも増えます。それは「会社として利益を無視した行動」という位置付けにはできませんから、結果的には「宣伝広告費」になりますが、その表現がイヤな場合は「顧客サービス費」と呼んでもいいと思います。その場合でも売上に対する比率や効果については具体的な数値で把握して効果の測定をしたほうがいいですね。
もう一度整理してみますが、
「お客様がいて、そのおかげで利益が出る。」
というのはまさしくそうなのですが、それは手段と結果の話だと思います。
でも、普段はそんな難しいことを考えずに「お客様と一緒に楽しむ」という気楽な感じでいいと思っています。(^^)
コメントする