知り合いから「役に立つセミナー」の話が来ました。
その手の話はけっこうあって、どれもこれも興味はあるものの、実際に役に立つものは少なそうな気がしています。
どんなに素晴らしい話を聞いても、結局は「実行力」が無いと続きませんし、目標が明確になっていないと途中で迷って投げ出してしまったりします。
今回のメールの内容も、読むと非常に素晴らしくて「確かにそうだ。」と思うものの、どちらかというと「成功している事についての解説」であって、「個別のアドバイス」とは違うものだと思いました。
だいたい、こんなような話です。どこかで聞いたことがある人もいるでしょうね。↓
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ビジネスは自営業とは違います。お金を稼ぐために何かをやると思うとまずは「社長になる」と思いますが、社長になるだけでは事業の拡大や自分の自由な時間も望めません。
なぜなら、「自分でやる」ということを前提にしてしまうからです。
どんな商売でも、まずは「システム化」に重点をおきます。
売るものを探し、売る人を募集し、そしてシステムを作ります。
マクドナルドやセブンイレブン、ユニクロなど、全国展開して成功している会社は、「システムを作る」という発想を重視しています。
つまり、社長のあなたが常に現場にいなくても利益を生み続けるシステムを作るわけです。
あなたがいなくても利益が出るということは、それを全国展開することもできますし、会社を売却することも可能です。
しかも、システム自体は残りますから会社を売却したあとも同じ手法でビジネスを作ることができます。
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さて、どう思われますか?
確かに言っていることはもっともなんですが、けっこう突っ込みどころ満載です。ユニクロは社長が辞めてから戻ってきましたし、中国からの野菜の輸入は自信があったにもかかわらずダメでした。
マクドナルドも、そのシステムを利用した他の事業の展開はしていません。
「売るものを探す」
「人を雇う」
「経理等の事務処理を行う」
と、細かく別けるとどれもこれも難しい話です。夢を見てビジネスを行っても、領収書に貼る印紙や手形のことは勉強しないといけません。どんな人を雇うか、給料はいくらにするのか、トラブルが発生したときには誰がどのように対処するのか、などの現実的な話がすっぽり抜けています!
また、会社をやらなくてもわかると思いますが社長は誰かに呼ばれたりとか手続きとかなんだかんだで外出する必要もあって、うまくシステムを作れていないところは2年ともたない気がします。
「社長が現場にいなくてもビジネスとして成り立つ」というのは理想ではありますが、現実では「社長の代わりの人を作っていく」のが「システム化」のポイントだと思います。社長と現場を繋ぐ中間管理職やコンビニなどのスーパーバイザーという存在はたぶん非常に重要だと思います。
まあ、それはともかく、仕入先が独自のルートだったり、製造方法や販売方法が特許等で守られているとか、社長のカリスマ性で集客が成り立っているとか、そういう独自性がなくて、そのビジネスが安易な場合には簡単に従業員が独立して別会社を設立してライバルになってしまいます。
この辺りの話をまったく知らなかった人には役に立つセミナーと思いますが、このメールを見る限り対象の人がはっきりしません。一見すると社長の経験が無い人に向けてのセミナーか、小規模の事業を始めて、まだ利益が出ていない人向けだという印象です。
「社長がいなくても大丈夫」「システム化して会社を売却」「そのシステムで再度立ち上げる」
という目標を掲げる、このセミナーの内容は理想的ですが現実としてはちょっと「???」な感じです。
しかし、これを私に紹介するために友人が私にメールを送ってきたという事実もまた見逃せません。
つまり、このセミナーの主催者は「集客のプロ」なのですね。魅力的なセールスレター、人を動かす文章など、人をその気にさせ興味を持たせることは素晴らしいと思います。しかも「口コミ」で広がっているだろうということも予想できます。
営業のプロは「どんなものでも売ることができる。」と言われていますが、このセミナーの主催者は確かに儲かっているだろうと思います。
このセミナーにもし参加するとしたら、「人をやる気にさせて行動に移させる技術」という観点で見るとかなり勉強になりそうな気がします。